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自分の中に自分を見つけることが出来ない以上、それは権威としての他者に求められるのである。そうならざるを得ず、そうするしかないのである。そうして自分を見い出す以外にないのである。そうである以上、それは上辺だけの上下の関係とならざるを得ないのである。 そしてこれが、この世界で生きる者にとっての自意識になっているのである。これは必然であり、成り行き、流れとでもいったものであって、そうとしかならない、それ以外のものになれない、そうした世界なのである。 そしてすべては、このような自己意識の欠落からきているのである。そしてこれは同時に、自分たちが信じるもの、自分の中の宗教の本質なのである。そしてこの宗教を生み出したものが、自分たち自身の生存と存在の仕方を決定づけた、自分たち自身の歴史の結果なのである。 生きてゆくための、その生存の仕方の果てしない数千数万年に及ぶ、そのくり返しが、自分たちにとっての信じるもの、宗教ないし信仰といったものを作りだしたのである。それは自分たちにとって見れば、どうしても必要なことだったのである。 そして、そうしたことが生活のパターンとなり、スタイルとなって、現実の世界に現れ出てきているのである。これは、避けることの出来ない歴史の必然なのである。 |