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自分が本当に「信じるもの」というのは、自分の気まぐれや思いつきで左右されるものであってはならず、たとえ自分の意志に反したことであっても、自分のすべてを捨ててまでも押し通さなければならない、そうした、絶対的で強制的なものでなければならないのである。 そうだとすれば、それはやはり、権威と象徴の世界以外にないのである。すなわち、序列と上下の関係がそれである。そしてこれは必然なのである。そして、自分が下の者になりたくなければ、下の者を作り出して「踏み台」にするしかないのである。 そしてそれは、どの時代、どの地域の文明や歴史においても、広範かつ一般的に見られる普遍的な現象なのである。 文明、ないし人間が社会を作るということ自体が、そうした秩序を必要とし、そして作り出すのであって、そしてこの秩序自体が、人間同士の間の上下の関係を普遍的なものにするのである。 それは根源的には、人間の自意識の問題であって、自己のアイデンティティーといったものを、他人に求めようとする限り、それは避けることの出来ない必然なのである。 |