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7、異人。


しかしまた、このような現実が理不尽だと言っても、実は、このような「理不尽」さの中からしか、なにも見えてこないのである。何もかもが否定されて行き場を失くした世界、生きて行くことが出来ないようにできている、そうした中からでしか、本当の自分は見えて来ないのである。

このようなタイプの人間は、ごく少数派なのであるが、実は、このような人々が世の中を支配している、というのが実情なのである。たとえばユダヤ人がそうである。あるいは、これと似たような境遇にある、肉体的生存すらも徹底して否定された、そうした「社会的異人種」。

このようなタイプの内的・精神的異人種は、どんな社会にもいるし、それは人間社会が生み出した必然であり、そうした意味で、それはどうにもならないことなのである。そして、そうした「異人」が、世の中を見えないところで支配し、そして動かしているのである。

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