index< 日誌 < c信じるもの< 19-69「条件」p6 |
それは、あらかじめ条件付けられ、設定されている、そうした存在の範囲や方向性を定めているのである。そして、そこから離れたところに人間が生きて行けないように出来ているのである。あるいは、そのように事前に設計されているのである。そして、もともとこのように出来ているというのが、その「条件」なのである。 従ってこれが、あらかじめ定められ、設定されている存在の仕方なのであり、生き方ないし進化の歴史的「傾向」といったものなのである。そしてまた、このような傾向といったものを外からながめて見ると、何らかの意志や、意図的な目的を持った、そうした「指向性」を持つものとして見えてくるのである。 しかしそれは、あくまでも、本人も社会全体も、意識してそうしていることではなくて、無意識に、いつものように、なに気なくただそうしているだけなのである。なぜならそれが、そこで生きている人間にとっての常識なのであり、、作法なのであり、習慣だからである。 例えるならば、試験管の中の微生物にとって、それが試験管の中の世界であるとは、意識されないのと同じである。 |