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1、生まれつき。


「自分たちでない者」。
それは、生まれながらにしてそうなのであり、変えようのないものなのであり、自分でも、また、誰にとっても、どうにもならないものなのである。

つまり、本人の努力や理性や科学でもって、変えられるものであってはならないのである。古代と中世の奴婢や奴隷がそうであったように、子々孫々、永久に、どうあってもそうでなければならないものなのである。

そうやって、群れて仲間化しようとする。そして、それが自分であり、自分そのものであり、自分たちであり、そしてまた、自分たちは仲間であり、兄弟なのであって、そしてこれこそが、自分たちの心の拠り所であり、自分が信じるものとなっているのである。

もともと、このような群れて仲間化して生きて行こうとすること自体が、権威や「強い者」にすがって生きようとする、そうした自己放棄の現れであり、非科学的で、自分自身の弱さの現れである以上、その正当性の根拠は、人間の努力や理性ではどうにもならない、そうした「生まれつき」の出自に求めざるを得ないのである。

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