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人間を支配しているのは、自覚された意識などではない。反対に、意識の届かない無意識の世界が人間を支配しているのである。そしてこれが、人間の意識や思考、そして生存の様式を作り出し支配してきたのである。なぜなら、意識を支配してコントロールしているのは、無意識の世界だからである。 現実にあった出来事の記憶を、無意識の夢の世界へと引きずり込んでゆくのである。しかもそれは、実際の出来事の順序や筋道、ワケや理由などを一切無視して、ただ単に感覚器官の気まぐれと偶然、そして好みだけで選ばれているのである。 現実世界の合理性をいっさい無視して、現実の世界とは切断された感覚だけの世界のなかで、感覚が自分だけの都合で好き勝手に「現実」の出来事を記憶し、デッチ上げ、解釈しているのである。 そして、このような感覚の無意識の世界が土台となって、その上で、意識や思考が成り立っているのである。印象と象徴、そして何かしらの暗示とサインの世界へと誘導しているのである。 |