index< 日誌 < p変異 < 20-11「可能性」p4- |
しかしそれでも、もしも「変わる」といったことが起こるとすれば、それはその時点で、すでにそれまでの自分とは異質の、まったく別の異なる人間、あるいは異民族・異人種になっている、ということを意味している。そしてそれは、たいてい後になってから気づくことになるのである。 知らず気づかないまま、いつの間にか自分というのが変わってしまったのである。そしてこうしたことは、歴史上たびたびあるのである。たとえば移民や植民地がそうであったようにである。 たとえば、かつてのイギリス人が、気質や気性も多少異なるアメリカ人となったようにである。あるいはまた、日系アメリカ人が、日本人ではなくてアメリカ人であるようにである。彼ら彼女らは元からあった、自分自身のルーツから切断され、そして一人歩きを始めたのである。そうするしかなかったのである。 |