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ものごとが「変化する」というのは、時間という座標軸上のことである。時間が無いというのは、静止した空間、または何も変化のない世界、あるいは変化があっても、それを変化として捉えることも、理解することもできない世界である。 つまり、変化といったものを、何らかの因果関係の原因・結果として捉えることが出来ないのである。つまり、これが時間が欠けた世界なのである。それら自体に前進も後退も、前も後ろも横も上も下もない世界。それらの間に、何らの因果関係も連続性もない世界、つまり、漠然としていて、とらえどころのないバラバラな世界なのである。 それは、それらの間に何らかの方向性があってこそ、言い換えると、時間的な変化を通してのみ、何らかの理由を持った世界として理解することができるのである。つまり、時間を通して空間を見ているのであって、あるいは、そうしてのみ空間というのが見えてくるのである。歴史的現実とは、このことなのである。 |