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16、霧の中。


それ以外に生きて行く方法がないという、そうした選択肢がない世界を生きている、そうした人間のことなのである。ゆえに、自分で新たな異質な道を進まざるを得ない。変質あるいは変異せざるを得ない、そうしたタイプの人間、または、そうした境遇の立場に置かれている人間のことなのである。

現実の世界に、自分の現実というのが無い以上、自分でそれを作らなければならないのである。そして、そうしたことが、すがたカタチを変えて、自分自身の観念の世界のなかで、無意識の妄想の世界を作り出しているのである。精神が、どこか病んでいるのである。そして、それが精神の世界に映し出されているのである。

得体の知れない暗示や象徴として、浮かび上がってきているのである。それがいまだ何であるのか、カタチが不明であるにもかかわらず、それがカタチを求めて、霧の中の向こう側から押し出されてきているのである。

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