index< 日誌 < s設定 < 20-19「続、ネアンデルタール人。」p9- |
しかしこれは、なにもネアンデルタール人に限ったことではなくて、かつてのユダヤ人やジプシー、そしてブラジルやアメリカ、オーストラリアなどで一部の先住民に見られる、自分たちが何かしらの主権を持った国民たることを拒絶しようとする傾向にも見られることである。 自分から進んで文明を拒絶しようとするのである。近代という枠組みが定めた「囲いの中」に入りたがろうとしないのである。そうしたことは地域的にも歴史的にも数多く見られることである。つまり、そうした人間はどこまで行っても二級三級国民としてしか見なされないということである。 自分たちを保護すべき政府が、それを拒否するのである。むしろ政府が自分たちを排除し迫害するのである。だからまた、自分たちは自分たちの主権を拒絶するのである。 そうするしかないのである。無いものを有るなどと言われたくないのである。それを口実にして、さらにひどいことをされたくないのである。政府は信用できないのである。だからそれを拒絶するのである。 |