| index＜ 日誌 ＜ s設定 ＜ 20-19「続、ネアンデルタール人。」p9- |
| しかしまた、人間は、そうやってしか生きて行けないのである。いままで通りにしか生きて行けないように出来ているのである。しかしまた、だからこそ、人間は群れて団結するのである。 そうして、自分の煩（わずら）わしいだけの人格や自由を、「上の者」に譲り渡して権威にすがり、あるいは権力を利用して、集団の中での自分の立場と居場所を有利に保全しようとするのである。 群れて、ランクづけ、上下の関係を作り出して、そうしてその中に自分をはめ込もうとするのである。それ以外の生き方を知らないのである。また、そうやって生きて行くしかないのである。 そしてこれが本人にして見れば、悩みや苦しみのない理想の世界なのである。それは、そうした時代という囲いの中に生きている限り、たしかにそうなのである。しかしそれは、外から見ると、やはりドレイとしか言いようのないものなのである。 |