index< 日誌 < s設定< 20-02「傾向2」p7-


7、非現実。


しかしまた、それは反面、これを反対方向からながめると、つまり、客観的な現実世界からではなくて、自律した主体的な人間の側から見ると、すでにある現実の条件や傾向の否定ともつながっている。それは自己と、自己の現実との対立として現れる。

歴史上の様々な民族や国家、そしてその歴史そのものが、このような現実と非現実、あるいは日常と非日常のくり返される入れ替わりと変遷、錯綜した交替と変異の、そうしたくり返しの世界ではなかっただろうか。

このような移り変わりと入れ替わり、変異のない歴史などなく、そして実は、このような変遷のことを私たちは「歴史」と言っているのである。そして、このような現実の限界と制約からの脱出を、自分たちの歴史としてきたのではないだろうか。

戻る。                    履歴へ

index < 日誌 index< 日誌 < s設定20-02「傾向2」p7-