index< 日誌 < s設定 < 20-28 「記憶」p8-


1、そとの世界。


それは、現実の自然条件がそうなのである。しかし、こうした自然環境そのものが、すでに人間によって作り変えられた後の世界だったのである。人間が生き、そして見ている世界というのは、人間自身が作り出した世界なのである。

さらに自然とは別の、文化や歴史といったものもまたそうである。接触や交流と言っても、それがただたんに隣りにいるという、ただそれだけでも、他とは異なる「心の持ち様」といったものを創造し始める。

それは、外の自然のみならず、自分自身が持つ感覚も含めてそうなのである。そしてこうしたことが、人間が生きている現実であり、そしてまた、人間にとっての「外の世界」といったものなのである。

だからまた、人間にとっての現実とは、自分で自分を見ている、そうした世界だと言える。現実そのものが、それ以前に人間自身が自分の中で映し出した世界なのである。

履歴へ                      続く。

index< 日誌 < s設定 < 20-28 「記憶」p8-