index< 日誌 < s設定 < 20-28 「記憶」p8- |
いつかどこかで、ふと気になる正体不明でワケの分からない、自分の行動や考え方の根源にあるものを、自分たちの遠い過去の歴史や遺物の中に見い出されることがある。 つまり、私たち人間は、そのような過去を持っていて、そして現在を生きているのである。そして自分の「理由」といったものを、そこから見い出そうとしているのである。そして、自分というのが、そこにしかないと思えてくるのである。 現実の世界というのが自分の中で映し出されて、変形し歪み、そして自分の中で再び再生され、復活し、目覚めてくる。自分でも気づくことのなかった「自分」というのが、再び目覚めて来て、呼び覚まされて、自分に問いかけてくる。自分が自分に問いかけている。 現実を生きている自分の周りにあるものはすべて、自分にとってみれば、すでに有るもの、あらかじめ与えられているものなのであって、それでも、そうしたことに何か意味を見い出そうとするなら、それは自分の中に見つけるしかないのである。 それは、自分にしかないものであって、それはつまり、忘れられ、失われ、消えていった自分自身の中にある、何かしらの記憶の世界を思い出そうとしているのである。そしてまた、そこにしかないように思えてくるのである。そして実は、これが自分自身の感覚なのであり、そしてその気質や気性の世界なのである。 |
index< 日誌 < s設定 < 20-28 「記憶」p8-