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しかし、注意しなければならないのは、この頭の中で映し出されている、外の現実世界もまた、人間が作り出した世界だということである。それは、自分にとっての外の現実がそうであるとともに、自分自身の無意識の世界がまたそうなのである。 人間は自分の都合に合わせて、そしてまた、自分の都合に合うものだけを、自分のまわりに引き寄せてきたのである。あるいは、それが不要なもの、忌み嫌うものとして避けたとしても、この「避ける」という行為自体が、人間がかかわり合う世界との関係を意味しているのである。 のみならず、人間の感覚自体が、そしてその身体構造自体が、数万年におよぶ人間の生存の必要から堆積し引き継がれてきた、無意識の記憶が生み出したものなのである。あるいは、それが肉体の記憶として、人間の感覚として、その遺伝的な肉体の世襲財産として伝えられて来たものなのである。 |
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