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人間の「存在」とは、人間と、それを取り囲む世界とのかかわり方を言っているのである。そして、このかかわり方を離れたところに、人間というのは存在しないのである。 したがってまた、このかかわりの中でのみ、人間は自分を意識することができるのであって、それ以外を知り得ず、また、それだけで十分であり、そしてまた、それが人間のすべてなのである。 人間がこのようにして自らを意識するというとき、現実を自分自身に対峙するものとして区別し、対象化してしているのである。そして、そうした自分の中のシステムといったものが、外の現実から反射されてきて、そして戻ってきて、そうして自分の中で映し出されているのである。 この映し出された自己の内的世界が、人間の観念の世界ではないだろうか。それは意識されることのない、自分自身の中にある観念の世界であって、あくまでも自分自身の偏見や思い込みの主観に過ぎないものである。だれもがそうだと感じる、客観的な世界ではないのである。 |
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