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だからまた、なんでもできるのである。恐れを知らず、死というものに対しても恐れない。そうした、自分が自分に責任を負わなくて済む世界なのである。自分で自分の良心に問いかけたり、省みたりすることのない世界なのである。自己意識がないというのは、こういうことなのである。 個人というのが集団の中で理没したままの世界であって、自分のなかで自分が問われるといったことがないのである。そうした、安定した幸せな世界なのである。ただたんに周りに合わせているだけでよい、という世界なのである。 現実に、相手としての他人が存在していても、精神的存在としては存在しないのである。そして同時に、自分が自分を意識することもない、自分が世の中で、客観的で普遍的な存在として意識されることもない、そうした世界である。従ってまた、だからこそ、どんなことでも出来るのである。 |
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