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2、意識。


自分を人間として制約しコントロールするものが、どこにもないのである。永遠に同じところをグルグル回り続ける、「回り車」の中のネズミみたいなものである。進歩もなければ後退もなく、前も後ろも、上も下もない。あるのはただ、現実のすべてをなんら制約も受けずに、思いのまま、気分だけで生き続ける存在、生も死もほとんど意味を持たず、どうでもよい、そうした世界である。

なぜなら、自分のタマシイというのを感じることがない世界だからである。自分が生きているのかどうかも分からず、またそれを、たしかめようのない世界だからである。自分というのが、自分の中でいまだ分裂していないのである。自分のタマシイと、現実を生きる自分とが対立していないのである。そもそも、自分の中に何も無いのだから、自分が自分に対立しようがないのである。

従ってまた、自分で自分を感じたり、意識するといったこともない。ないものを感じたり意識したりすることなど出来ないのである。しかし、彼または一般的に人間というのは、自分を感じてもいるし、意識もしていると信じている。そして確信もしているし、たしかに自覚もしている。しかし、いったい何に対して?


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