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14、異質。


しかしまた、このような「富が集まる場所」とは別の意味で、この古代地中海世界の地政学的条件を見なければならない。現在の私たちが生きて日常としている、この東アジア世界とは違うという意味でそうなのである。

自意識の条件といった意味でそうなのである。つまり、変異し変化し続けることが、その存続の条件となっているという意味でそうなのである。そうした意味で、私たち東アジアとは別の世界だということである。

言語が違う、宗教が違う、人種が違う。ライフスタイルや価値観、性格や気性も違う、当然に常識や作法といったものも、それぞれが、だれもがみなどこか根本的に違うという世界である。

だれもが互いに何を考えているのか、知りようのない世界である。要するに、自分が変化するし、変化しなければ生きて行けず、変化し続けるということが、こうした世界で自分が生きて行くための必須の条件になっている、という意味でそうなのである。

そうした意味で、私たちが生きてきた東アジア儒教世界とは、根本的に違うのである。別の言い方をすると、自分たちが「信じるもの」といったものが、どこか根本的に違うのである。異質というか、次元が異なる世界を生きているのである。


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