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13、富が集まる場所。


また、このような「地政学的」要因といったものを、古代文明の中心であり続けた地中海東部世界について見ると、そこは、ヨーロッパとアフリカとアジアの文化と交易、または略奪と戦争の「結び目」、十字路であり続けたのである。この十字路を制圧した者が世界を支配したのである。

このような文明の「十字路」にあっては、自然条件というよりも、むしろ地政学的で人為的な事情といったものが大きく作用する。むしろそれだけであって、それだけがこのような地域の突出した価値を生み出したのである。

地理的な自然条件がもたらす生産の直接の豊かさなどよりも、はるかに多くの価値を、それがもたらす政治的・軍事的・象徴的な意味が生み出してきたのである。交易と略奪がそれを可能にしたのである。自分たちが生産をしなくても、外から自分たちの方へ向かって富が集まってくるのである。そうした意味で、これが地政学的な条件なのである。


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