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身元がはっきりせず、正体不明の人間を誰も相手にしないのである。またそうした人間に対しては、なにをしてもよい、かまわない、そうした人間として扱われる。事実、そうした人間は、社会的には何の対抗手段を持たないのである。肉体的・暴力的にもそうである。 だから何をしても良いのである。そのための法律なのであり、警察・軍隊なのである。警察と軍隊がそれを保証してくれるのである。事実、ホロコーストや民族浄化は有史以来、どの時代、どの地域でも広く一般的に行われて来たものだ。 現在でも、北アフリカからヨーロッパへ、ミャンマーからはロヒンギャ族が海上ルートで移民・棄民している。また、20世紀中頃に至るまで、マレーシア・インドネシア・フィリピンなどの南東アジア地域では十数年に一度の周期で華僑に対する無差別殺害・暴動が起こっている。これは政府主導の年中行事のようなものだった。 このような移民ないし棄民といったものは、だれからも招かれない客なのであって、要するに、移民の側からすると、自分で自分を捨てて、そして自分で自分を作り変えてゆくことになる。それ以外に生きて行く方法が無いのである。そして、しかしまた、そのような中からでしか、変異は起こらないのである。 |