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1、象徴。


約一万年前、人類は狩猟採取の空間的移動の生活から、農耕という空間的・時間的定住の生活へと移行する。このような、人類にとっての定住生活とは、自らの「存在の永続性」の物的保証であって、そしてまた、その歴史的な継続性を意味している。

それが歴史として、時間軸上の変化の示標として、とらえることが出来るようになったのである。祖先から子々孫々へと続く、存在の連続性が、空間的にも確保されたのである。住居や耕作と放牧のための土地だけでなく、その上で継続して受け継がれて行く、習慣や文化といったものも含めて、それらが物的・空間的に定められたのである。

それは、現実の見えるすがたカタチとして、時間の経過に関係なく、ずっとそのまま残っていなければならないものなのである。あるいは、それが自分たちの現実の成り立ちとして、そのシステムや習慣、暮らしの様式として、受け継がれて行かねばならないものだったのである。それは、自分が自分であることの象徴であり、そしてまた、自分たちのタマシイの象徴であり続けたのである。


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