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2、固体。


これは、夢と現実の世界における、固体と液体・気体との区別にたとえることができる。自己と他者を区別する境界面は常に固体である。たとえそれが限りなく薄い膜で仕切られていようとも、固体であることに変わりはない。そうでないと、自己と他者とが区別できなくなるからである。惑わされたり、戸惑ったり、揺れ動いたりしてはならないのである。

液体・気体はバラバラで自由に自分勝手に移動する。出たり入ったり、行ったり来たりを常にくりかえしている。こうした状況下では自分と他者の区別などあるはずもなく、区別のしようもなく、そして、あるいはまた、言い換えれば、このような液体・気体の中から、自他の境界面が生成されてきたと考えることができる。

自己と他者の境界は、このような転変し錯綜したカオスの世界からでしか生まれてこないのである。それは、始めからあったものではなくて、そしてまた、なにもないところから出てきたものでもなく、このような混沌としたカオスの中から映し出され、現れ出てきたのである。


戻る。                       続く。

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