index< 日誌 < aa暗示 < 20-50見えない世界 @


11、おびえ。


それは、人間が生きてきた環境がそうなのであり、また、それが自然条件なのであり、あるいはまた、儀式やシツケ、シキタリなどを通して引き継がれてきた文化の記憶が、そうなのである。そしてまた、私たち人間の肉体のカタチがそうなのであり、そしてまたその肉体のなかの、生理の作用のリズムがそうなのである。

自分が現実に対して何か言い知れぬ違和感をいだいたり、自分自身に対して理由もないのに恐れを感じたりするのは、このためなのである。自分自身の中にある種の記憶に、自分自身が恐れおののき、おびえているのである。それは自分自身のことであるにもかかわらず、自分でもどうにもならないことだからである。

そして私たち人間は、自分でも気づかないまま、このような自分たちを取り巻いて活かして文化や、そしてよりも根源的には種としての記憶、あるいはタマシイといったものに支配され続けていて、そしてまた、それによって、あらかじめ方向づけられてもいるのである。


戻る。                       履歴へ

index< 日誌 < aa暗示 < 20-50見えない世界 @