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10、錯覚。


自分の中にある何か得体の知れない、満たされない欲求や、それがもたらす偏見や思い込みといったものがあって、それが自分をして、言い知れぬ誇大妄想へと駆り立ててゆくのである。

そしてこれが、偏見に満ちた印象やイメージを、自分の中の無意識の記憶の世界に落として行くのである。そしていつしか、これが自分の無意識の世界を支配しているのである。

だからまた、そうした意味で、それは誇大妄想でもあるし、そして、それがもたらす印象やイメージも違ってくるし、そしてまた、こうしたことが無意識の世界で、偏向に満ちた幻想や錯覚を惹き起こしているのである。

たゆとうカゲロウやカスミの中、揺れ動く炎や、霧の中の薄れ行く記憶の世界の中に、何か得体の知れない、自分自身の心の中の風景を見ているのである。そしてそれが、昔どこかで自分が見たことのある風景のように思えてきてならなくなるのである。なぜなら、それこそが自分自身の、失われた記憶の世界だからである。


戻る。                       続く。

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