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そして、そうした自分の中にある何かを思い出そうとしているのである。再び見つけ出して、それが何だったのかを確かめようとしているのである。そして実はこれが、自分の中にある無意識の象徴と暗示の世界なのである。 あるいはまた、それが自分のなかにある、自分だけの他人とは区別される固有の自律性であり、そしてこれが個性なのである。またこの「自律」とは境界線であり、現実から離脱したところ、そして現実と対峙するところの、精神と現実との間の境界線を意味している。 精神が、自己と他者を区別する境界線を持つに至ったのである。そうして自己の精神の領域と、そのすがたカタチを持つに至ったのである。決して侵されることを許さない、自己の精神の領域を持つに至ったのである。 |
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