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3、存在。


気づかず知らないまま、人間の無意識の世界というのが、そのようにして作り出されてきたのである。そうするしかなく、そうならざるを得ず、それ以外の生きて行く方法というのが用意されていなかったのである。環境というのが、そして自己の歴史といったものが、それ以外の生き方というのを許さなかったのである。そして、これが人間にとっての現実だったのである。

私たちが生きている、そして私たちを取り巻いている自然環境というのは、私たち人間自身が選び、望み、また改良もして方向づけてきた、そうした歴史の結果として、いま私たちの目の前にあるのである。

また、そのように私たちの祖先はそれを見て来たし、現在を生きる私たち自身も、外の現実というものを、そのように見ているのである。また、そのようにしか見えないのである。また、そのように見るということが、私たち自身の常識を作り出してきたのである。

法律や、正義や、宗教や、政治体制もまた、その延長なのである。生存と生産のシステムがそうである以上、そこから離れたところに人間は存在しないのである。なぜなら、それが人間の存在の仕方だからである。

戻る。                      続く。

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