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4、かかわり方。


人間が見る風景の、山々に見る木々の種類や、その分布の範囲、平野の草花、あるいは、その植生や栽培作物や採取作物、そしてそれに関連付けられたシステムとしての生態系全体としての植生。あるいは、同じことであるが、動物の生態系といったものもそうである。そして、そうした環境そのものが、その下で人間が生きてきた、人間の生存の条件そのものだったのである。

それは、人間が利用できるものだけでなく、人間と敵対し、人間が忌み嫌ったものでさえも、そのようなものとして人間に理解され、そしてまたかかわってもきたものなのである。つまり、そのような自然環境との係わりの中で、人間は生きてきたのである。そして、これを自分の生き方や感じ方としてきたのである。それ以外に無かったのである。

そうした意味で自然環境というのは、人間の感覚が作り出したものだと言える。あるいはまた、同じことだが、人間を取り囲む自然環境が、人間の感覚を作り上げてきたのである。なぜなら、それが人間の存在の仕方だったからである。またそれが、人間にとっての現実の世界だからである。それが、人間と世界とのかかわり方だったからである。

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