夢が映しだすもの。１１、感情。

１１、感情。

すなわち、言い知れぬ感情の動きや、自分自身の情緒のあり方といったものがそうなのである。自分自身の自律的な、自分でもどうにもならない、自分の中の心の動きといったものを、夢の中で夢を通して表現しているのである。

それ以外に表現する場所がなかったのである。現実の世界にそれを表現する場所がない以上、それは自分のなかで求めるしかなかったのである。たとえ夢の中の空想に過ぎないのだとしても、それなしには自分が自分でなくなって、自分を見失いそうになるからである。

そうした、現実世界での何か言い知れぬプレッシャーや、抑圧された出口のない感情といったものが、夢でもって表現されるのである。あるいは、夢の中でしか表現され得なかったのである。

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