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カタチなきものは、いずれ忘れられてゆくのである。何らかのカタチ、たとえそれが夢の中だけだとしても、それを物語のすがたカタチとして、記憶のなかで残して置かなければならなかったのである。それ以外に、抑圧された自己の心情といったものを表現する方法がなかったのである。 だからまた、夢の中の物語のすがたカタチは、ウソ八百でもデッチ上げでもペテンでも何でもよかったのである。それはただ、表面的な見える体裁だけそろっていれば、なんでもよかったのである。要は、自分自身の中のわだかまりが表現されていれば、それだけでよく、そしてまた、それだけが自分自身の精神が、夢の世界に求めるものだったのである。 淀?よど?み、絡みついたままの恐れや不安を解くこと。あるいは希望や信仰といったものを忘れないこと。これが、自分が夢の中で求め、信じようとしたものなのである。あるいはそうした、自分でもワケの分からない、意識することのない無意識の、得体の知れない不安やおびえといったものを、こうして夢のなかで知らず知らずのうちに分解しているのである。そうして初期化して、いつもの自分の日常を取り戻そうとしているのである。 |
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