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そして実際に現実的にも、そうした無意識の自分の中にあって、自分でも知り得ない、そうした無意識の世界を私たちは生きている。あるいはそうした、自分にしかない固有の特質とでもいったものが自分を支配し、追い立てて動かしているのである。 それは、自分自身の肉体の生理作用の営みなのである。自分だけが持つ、自分自身の生理と神経作用の特質といったものなのである。そしてそれなしには、自分というのは存在し得ないのである。それは自分自身の個性であり、理由であり、そしてまた存在の必然性となっているものなのである。 そして、こうした自分の中にある未知の世界を地平として、そこから意識や思考、宗教や信じるもの、習慣やタブーといったものが成り立っているのである。あるいはまた、そうした無意識の世界が、生きている人間の意識や思考、考え方や感じ方といったものを作り出しているのである。 そして、このような無意識の世界が、人間の意識を支配しているのである。そうした意味で、人間の意識や思考といったものは、それだけでは、「まやかし」であって実体を欠いた空想のように思えてくるのである。 |
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