index< 日誌 < am種 < 20-64「遺伝と適応」


7、ホロスコープ(万華鏡)。

ここでは遺伝と適応の違いだけでなく、そこからまた、主体と客体、主観と客観の区別も曖昧(あいまい)になっている。それらは互いに行き交い、混じり合い、錯綜し合っていて、そして、そうしたことが全体として一つの概念を作り出しているのである。

まるでホロスコープの中をのぞき見しているようなものである。そしてそのなかから人間は、自分にとって都合の良いものだけを取り出してきて、そして理由づけしているのである。これっが人間にとっての世界の意味であり、善悪の判断の基準にしているものなのである。

つまり、自分たちの都合に合わせてものごとの判断基準を定めているのである。そしてこれが、その社会にとっての正義であり、信仰であり、常識なのである。従って、それはまた、偏った偏見にならざるを得ないのである。

そしてこれがまた、自分たちの存在の根拠になっているのであって、自分たちの内的同一性の根源であり、もっとも本質的な遺伝と適応、あるいは、滅びと勃興の要因となっているのである。そうやって、自己が自己であり続け、そして自分で自分を全うしてゆくのである。



戻る。                       履歴へ

index< 日誌 < am種 < 20-64「遺伝と適応」