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始まりは、生きて行くための現実の必要がそうさせたのであるが、いつしかそれが現実から遊離して、ただたんに純粋に自己の精神のあり様を映し出すものになっているのである。 精神が現実を無視して、現実とは無関係なところで、精神それ自体の都合から自(みずか)らを映し出しているのである。そうして自分で自分を見つめているのである。自己の内的な葛藤といったものが、このような自己の表情としてしか、自分には捉えようがなかったのである。自分で自分を確かめるには、それしかなかたのである。 現実の出来事の経験から感情が意識される。そして、そうしたことの際限のない時間の経過が、やがて出来事の実際の記憶を忘れさせる。そして残り続けるのは、痛い、かゆい、楽しい、苦しい、つらい、うれしいなどといった感情の感じ方だけの世界である。そうした現実から切り離された感覚の、観念だけの世界にすり替わっている。 |
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