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13、営み。


感情の営みといったものが、それ自体の都合で、実際の現実世界に無いものを映し出しているのである。現実とは別世界の観念の世界の中で、それが営まれ続けてきたのである。

しかし、もっと正確に言うと、観念というよりも、それよりもはるかに原始的な生理や条件反射の世界であって、そうしたことの果てしのないカオスと化した偶然と錯覚の世界なのである。行為や観念以前の、自分自身の肉体の営みといったものがそうなのである。自分自身の意識や認識以前の、肉体の生理作用の世界なのである。

だからまた、そうした実際の経験とは関係のないことでも、それが自分にとって楽しい時には、それが善いことのように思えて来て、うれししくなって、それがまた、顔の表情や身体内部の生理作用としても、またその外面的な仕草や姿勢からも、そのまま現れてくるのである。

そして、それをそのまま信じているのである。他に信じるものが自分の中にはないのである。ただそれだけが、自分が自分であると思わせてくれるのである。


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