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このいわゆる表情筋は、身体を動かすというよりも、顔正面に並べられた各種感覚器官、目や耳やクチといったものを動かし、支え、そしてその目標へ向かって固定するためのものである。いわゆる、目標に向かって照準を定めるためのものなのである。そうやって、感覚を集中させるのである。 そうやって全感覚器官を、一点に向かって最大限効果的に働かそうとするのである。従ってまた強力な筋力そのものは必要がないのであって、それよりもむしろ、非常に繊細かつ微妙な精度が強く求められるのである。 従ってまた、このような顔面の筋肉は、その表情と密接に結びついたものであって、むしろ、このような顔面の筋肉の微妙な動きそのものが、人間の表情そのものを作り出しているのである。あるいは、そうした顔表面の動きそのものを、私たちは、表情と言っているのである。 この表情といったものを他の言い方でもって表現すれば、それはクチや鼻や目の動きのことなのであって、またそれを取り囲む周りの筋肉の動きや、そのシワのカタチのことなのである。浮き出た血管もそうであるし、顔表面の血流の色もそうである。だから、このような顔表面の筋肉の働きを「表情筋」と言っているのである。 この表情筋は、身体の他の筋肉と異なり、たとえば手や足のように、身体の実際の運動には係わらないのである。何かを持ち上げたり、歩いたり、動かすといった、身体そのものの動きには関係することがないのである。 |
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