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老いて感情表現が一方的で硬直して来るのは、肉体から潤いと豊かさが消えて、表情に変化が乏しくなるからである。そしてこれには、老いによる自分自身の社会的立場の変化とも関連している。自意識が関係している。 若い現役のころに資産形成に励み、そしてそれが定年によって収入のアテが途絶えるとともに、体力的にも、社会的にも行き場を失くして行くのである。そしてこれが、世間のなかでの自分の立場になっていて、そしてまた、これを自らのアイデンティティーにして行くのである。 このような、社会とのかかわりを失くし、人間関係の「つながり」を失うのは、会社人間が会社から離れた途端に、自分の居場所を見失い、戸惑い迷うのと同じなのである。 集団としての会社を離れたところで、自分の立場も意味も見い出せないでいるのである。個人というのが自律することがないのである。いままでその必要がなく、むしろそれは、あってはならないことだったのである。自分というのが、そのように出来ているのである。自分を見失い、世間から忘れられ、そして自分のアイデンティティー(存在理由)に苦しむのである。 |
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