index< 日誌 < av表情 < 20-82「D眉間」


4、同一性。


あるいは、笑っているときの、まとまりを欠いて気が抜けたような表情がそうである。そこには、たしかに眉間にシワがよることがあるが、むしろそれが外へ向かって開いて拡がっている感じなのである。

バラバラになって、そうして思いっきり広がって行くような、そうした表情となっている。シワもその筋肉の動きも、また、神経や生理の作用も、ちょうど解き放たれたように、顔の中心から外へ向かって緩み、開いて拡がっている。

あるいはまた、それが何らかの覚めた「あきらめ」となって自覚された場合は、気の抜けたようなタメ息や、その後の非常に微かな、止まったような弱い呼吸と心臓の動きでもって表現される。表情は外に対して閉じてゆく。

こうした表情といったものが、それらの何もかもが、バラバラに動いているように見えながらも、それらすべてがまた、その場その時の、何らかの同一の目的と意図の下に統合され、統べられ、そうしてそれへと方向づけられ、向かい、順序づけられ、配置されてゆくのである。


戻る。                         続く。

index< 日誌 < av表情 < 20-82「D眉間」