index< 日誌 < aj情緒 < 20-96「交感4」


1、必要。


このように言えば、たしかに根拠のない妄想のように聞こえるが、しかし、たとえば、私たちと私たちの祖先が、幼いころから聞いてきた昔話や神話、怪異なオカルトの話や伝説、神話といったものはどうだろう?

私たち自身は、そうした無意識の記憶の世界を生きて来たのである。もちろん、伝説やオカルトな言い伝えといったものは、人間が作り出した妄想の世界であって、しかしまた、それにもかかわらず、ある程度のたとえ少しであっても「事実」に基づいているのである。

現実にあった出来事を元にして、人間がそれを書き替え、ねつ造し、でっちあげ、ねじ曲げて、それを言い伝えとして後世に伝えてきたのである。それは、それを生み出した人間にとって、必要なことだったのである。

実は、この部分なのである。事実がねじ曲げられ、変造されて、伝えられ、残って行って、そしてこれが今を生きる私たちの記憶の世界を作り上げているのである。なぜか? それが必要だったからである。

それこそが、人間にとって必要なもので、私たち人間が求め、願い、欲したものだったからである。あるいは、オカルトや悪霊のような欲しくないものであっても、それをどうしても後世に伝える必要があると思えたからである。


履歴へ                         続く。

index< 日誌 < aj情緒 < 20-96「交感4」