――イメージをカタチに(・Image)―― 「非日常的風景」、その@。 見えないもの。 心のどこかで何かが欠けている。 抜け落ちている。 欠落している。 行方不明になっている。 それが何なのか、自分でもわからない。 遠くの地平線をのぞむ時。 夜空を見上げる時。 あるいは、道行く人。 仕事の合間の一瞬のひと時。 ふっと心をよぎる何か。 胸のどこかで何かが崩れ去り、 ぽっかりと穴が開いてしまった。 ブラックホールみたいなものだ。 何もかも飲み込んで、無意味なものにしてしまう。 こうした場面はよくあることだ。 一瞬、自分を見失った時だ。 現実逃避。 または現実から追放された時だ。 それが、何かのキッカケで、 ふっと心をよぎるのだ。 「これはいったい何?」、などと。 そうした危うい場面。 こうした場面は、 神話とか昔話にもよく見かける。 天使が現れたり、オバケが出たり。 確かにあり得ないことで、 妄想とか幻覚と言われている。 だがしかし、かれらは確かに見たと思う。 目に見えない何かを。 現実の目に見える世界ほど、不確実なものはない。 人間が作り出した虚構の世界だからだ。 だから、目ではなくて、心で見なければならない。 現実に見えるものではなくて、 そこから、見えない何かを感じ取らなければならない。 ではこの、怪しげで漠然とした、 「心の目」とは何なのか? ひとことで言えば、 「非日常の世界」を意味する。
市 ・Image。 |