――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)concept(概念)業務日誌2009-0127-e  市



「非日常的風景」、そのD。 
内にむかう陰影。




とある春の早朝(4時半ごろ)、
タバコを吸いに外へ出て見ると、
「影」がない。
家の周りの風景から、
「影」が消えている。

霧もなく曇り日でもなく、
空は、青く晴れ渡っているのに、
「影」がない!
なんと、薄気色の悪い事態だろう。
太陽が、
光の源(みなもと)としての太陽が、
どこを探しても無いのに、
この世に、光が満ち溢れている!
今、僕はそれを目の当たりにしている。
こんなことが、はたしてあるのだろうか?

そればかりか、もっと気持ちの悪いことに、
「陰影」が内に、それぞれの物体の中心に向かっている。

これは、あり得ないことだ。
影と陰影は常に、
照射される光の反対側に生ずるのであって、
映し出された物体の中心に向かう、などということはあり得ない。

光は常に人の外から、人の目に入って来る。
人の側から光を発するのでも、
物体自体が光を発してる訳でもないのである。
にもかかわらず、
「陰影」は内に向かい、
その中から、色と形が見る者に向かって映し出されている。
まるで物体が生きていて、
それ自身で自らを映し出すように。
あるいは、僕自身を映し出だしたように。


続くD-1。 「陰影の色」へ。


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