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index(索引)concept(概念)業務日誌さまよう妄想2009-0727-10


<さまよう妄想>I、秩序。



日本列島において戦争は常に、
統治の代理権に関するものとして争われてきた。
統治そのもの、
統治の根源と、正当性そのものが争われたことが一度もない。
そうした発想もない。
感覚の中に、そのような痕跡すら感じられない。

それらが、このすべての現象の根底にある。
つまり、戦争というのが、
天皇制というルールの下で行なわれているのである。
ルールありの戦争。これがあるために、
戦乱が、殺戮それ自体に目的化する、
絶対戦争に堕することもなかったし、
絶望的無政府状態になることも稀だった。
要するに、
統治に、時間的・空間的空白が存在しないのだ。
こういう国が他のどの世界にあっただろうか。
その意味で日本列島はとっても変わっている。

戦争は、統治の権限そのものに触れることなく、
その下での代理権を巡る争いとして、
民間人を巻き込むことなく行なわれる。

日本列島における、
一揆・内乱・戦国などというのは、
すべて王朝(天皇)から委託される統治権限をめぐる争いであって、
統治そのものを否定する無政府でもなく、
また、凄惨な革命にまで突き進んだこともない。
つまり、ユーラシア大陸における戦争の概念とは全く異なるものなのである。

そして驚愕するのは、
こうした文化に基づく平和というのを、
だれも自覚していないという点にある。
有史以来、ず〜っとそうして来たので、
だれも平和というのを、自覚せずに暮らせる世界だ。
平和そのもの。


文化とシステムの根本的激変として争われた、
あの明治のブルジョワ革命(明治維新)においてさえも、
王政復古などという名目でやってのけたである。


 続く →



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