――イメージをカタチに(・Image)――
(狩猟採取・家畜・牧畜・遊牧をそれぞれ区別する事) 【遊牧】 1か所に定住しないで、牛や羊などの家畜とともに水や牧草を求めて、 移動しながら牧畜を行うこと。 日本列島の山々は複雑で険しく、 畜群の遊牧には向いていない。 それに、植物から動物を育てるよりも、 直接、植物(コメ)を生産し消費したほうが、はるかに経済的だ。 歴史上、 遊牧の経験がない。遊牧民の痕跡も見当たらない。 20世紀までは獣肉を食することは稀で、 周囲の海から産する、 豊富な漁業資源から蛋白源を賄(まかな)ってきた。 コメとサカナ。 いわば、中途半端なベジタリアンである。 殺生を嫌い、動物の屠殺解体の経験や習慣が、 非常に限られたものになって来た。 今でもそうである。 これは、遊牧の歴史がないというのと関係している。 また、奴隷制度の痕跡がみあたらない。 日本の考古学では、 掘れども掘れども、奴隷に関係する遺物、 足枷・首かせ・手錠などが出てこない。 遊牧の歴史がないということ、 どうもこれが、 日本史の特異性の根底にあるように思えてならない。
市 ・Image。 |