――イメージをカタチに(・Image)――
およそ、 この狭い日本の、人間がひしめきあっている中で、 宗教だのイデオロギーなどといって騒ぎ出すとたまらない。 だから、開放的であると共に深く立ち入る事もしないのである。 そればかりか、日本列島の変化に富んだ気候と地形が、 イデオロギーなどにかかわっている時間的余裕をなくしている。 目まぐるしく動く日本の四季。 たった一日の朝夕の間でさえも、 湿度の高いこの島国では耐え難い変化として人に迫って来る。 旱魃・洪水、豪雪による被害はしょっちゅうあるし、 台風、地震はいつやってくるかも知れない。 その間隙を縫って農民は分刻みのスケジュールをこなしてゆく。 スケジュールの怠慢は許されず、何もかも無に帰してしまう。 有史以来、近代に至るまで、 日本の総人口のほとんどはこうした農民だったのである。 イデオロギーなどにかかわっている余裕などないのである。 そんなことしなくても、 狭小で、また特に肥沃でないとしても、 水と日光の豊富な日本列島においては、 マジメに農民をしていれば、なんとか食べていけたのである。 あるいは、そうやって食べてゆくしか無かったのである。 自然への直接的・実際的、臨機応変の対応、 そして潔(いさぎよ)さこそが、生存のための要点となる。 イデオロギーはタテマエに過ぎず、 時と場合によっては無視(又は反古に)される。 市 ・Image。 |