――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-0102-c 市
「ほほ笑み」、@
< 薄ら笑い >
子供のころ、
何かのキッカケで古文書を見た時の興奮が忘れられない。
なんと気持ちの悪い。恐ろしい、
薄気味悪い。
まるで、あの世から私宛の、お誘いの手紙に見えた。
古文書の平安絵巻に見る絵画は、あまりにわざとらしく、
いったい、誰が見ても不自然そのものだった。
描かれている女はみな太っていて、微笑している。
というより、
不気味で非常に残酷そうな薄ら笑いを浮かべている。
描かれている女の表情やしぐさが、みなそうなのだ。
僕には、そうとしか見えなかった。
飢えと迷信、疾病で苦しんだであろう中世において、
いったい、何がこんなにも嬉しいのだろう?
それは、この絵を見る者を、だまして落とし入れ、
死の世界へと導き入れようとしている。
そう思えてならなかった。
しかし、それは誤解だった。
戻る。 続く。
index(索引)<concept(概念)<日誌
市 ・Image。
|