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「ほほ笑み」、@               
< 薄ら笑い >

子供のころ、
何かのキッカケで古文書を見た時の興奮が忘れられない。
なんと気持ちの悪い。恐ろしい、
薄気味悪い。
まるで、あの世から私宛の、お誘いの手紙に見えた。

古文書の平安絵巻に見る絵画は、あまりにわざとらしく、
いったい、誰が見ても不自然そのものだった。
描かれている女はみな太っていて、微笑している。
というより、
不気味で非常に残酷そうな薄ら笑いを浮かべている。
描かれている女の表情やしぐさが、みなそうなのだ。
僕には、そうとしか見えなかった。
飢えと迷信、疾病で苦しんだであろう中世において、
いったい、何がこんなにも嬉しいのだろう?
それは、この絵を見る者を、だまして落とし入れ、
死の世界へと導き入れようとしている。
そう思えてならなかった。

しかし、それは誤解だった。



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