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<情緒>

このような、肉体の感覚が引き起こす、
微妙な感情の動き、感じ方、情感。
そうした「思考回路」の特性。

これを仮に「情緒」という言葉で表現するとすれば、
この「情緒」こそは、
それが生まれ形成されて来た、郷土の風土なのであり、
そしてまた、いにしえより受け継がれてきた、
民族文化の基底なのである。

このような自己の根源、
または、存在の理由といったものが、
どこかで見失われてしまった。
アイデンティティーが見失われた、そう思えてならない。
イヤ、それはわかっている。
ただ、それに代わるものが、見つからないでいるのだ。


   ×      ×      ×   

<文化的植民地>

戦後の合理主義精神、効率と大量生産。
そうした思考のモデルは、
すべてアメリカからコピーしたものであるが、
もはや通用しなくなった。
かといって、戦時中の復古主義は、
もっとず〜っと恐ろしく、破滅的なのである。



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