――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-0828-2 市
(続)「眠る裸婦.」 ―② 映し出される意識。
部屋の中の様々な物と人、 そしてそれらを繋ぐ光の陰影と構図。 流れるような輪郭の筆さばき(ストローク)。 確かに構図も輪郭も乱雑に見える。 がしかしそれは、 何か一定の規則を持った乱れなのである。 川の流れとか、竜巻とか、雲とか…。 燃える炎のカタチのように、 不規則に見えながらも、 その中に強烈な秩序と規則性を含んだ、 そんな「乱れ」なのである。 猛烈に乱れた空気の裂け目から垣間見る、 異空間の世界、 未知の、夢と現実が交錯する、 まさにその裂け目から女が、 それもハダカで映しだされる。 すべては、この部屋が創り出し演じている虚妄の、 一つの情景に過ぎない。 「裸婦」は、その中で現れては消えてゆく、 仮構の役者なのである。 そして、けっして現実となる事の無い定めの、 つゆと消えてゆく、あわ雪みたいなもの。 花火のような一瞬の輝き。 夢か幻のようなもの。 |