――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-1007-5 市
四季のデッサン、 D <冬の色。> 冬は灰色が混じる。 空は青いが、それでも風景全体に薄い灰色が混じる。 空気自体が、灰色混じりの青なのである。 灰色というのは、つまり、光の量が少ないのである。 そして青いのは、この季節の空気の色(色温度)である。 太陽光というのが、 非常に薄い青色(寒色系)を含むのである。 もしも、これが夏であれば、 太陽光は、黄・赤などの暖色系となる。 このような、太陽光の季節による色の変化を、 「色温度」と言っている。 また、太陽光自体の弱さから、 全体的に風景が薄暗く、鮮やかさに欠けるのであるが、 それだけでなく実際にも、 景色を構成する植物自体に、色の生彩さが失われている。 乾燥と冷気から外気を遮断して、 自己というものを固く閉ざしている。 生きているという、鮮やかな色彩はほとんどない。 もしもこの季節、地上に鮮やかな色があるとすれば、 それは年中、色の変らないの合成塗料の色である。 四季や朝夕の、温度や湿度に忠実なのは、 生きている生命の証明なのである。 これが、四季の彩りなのである。 冬の無機質な変化のない色。 固く閉じた、薄暗くて、くすんだ色の世界。 このような、冬の世界の時間的変化の終わりに、 次の、春が始まる。 |