――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)concept(概念)日誌2011-1007-4  市



四季のデッサン、 C <秋の空。>




秋の透徹した青。
透き通るような青というのは、
地平線近くまで続く「青」である。

他の季節では、地平線近くは「白」であって、
それが上空に上がるにつれて青くなってゆく。
秋には、それがない。
地平線近くまで、ほとんど変らない青である。
それが、透き通るような印象となっている。
冬は薄灰色、春は白色といった、
遠くがかすんで見える、空気自体の色がない。
だから、遠くの景色まで、クッキリとよく見える。

秋。夏の強い日差しが薄れ、
植物からは鮮やかな色彩が消えかけている。
そして、遠くの山々のカタチだけが強調されて、
何か、モノトーン
(セピア、白黒)の世界に入って行く。
そんな感じだ。

春は、それとは正反対だ。
地平線近くの白色が、
上空まで続いていることがある。
この「白色」とは、つまりキリ(春かすみ)であって、
それを、春の太陽が白く反射させているのである。

冬には、遠景はかすみ、
灰色が混じって、薄暗くなっている。
山からは、色の鮮やかさは消えて、
枯れた茶色と、常緑樹のくすんだ暗い青に覆われている。
遠くの景色が、暗い青に見えるのは、
太陽光自体が薄青く、
そして、光量の不足から暗い灰色に見えるのである。

この暗い山々の景色を、近くで見ると、
くすんだ緑色に見える。
山と視界の間の、
空気の青と灰色が薄れるためだ。


 戻る。                続く。




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