――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2012-0702-1 市
遠くの山々が、 おぼろげにかすんで見えて、 地上と天上との間で浮かんでいる。 色の鮮やかさもコントラストも消えて、 シルエットだけが薄ぼんやりと。 まるで、夢の中で見るように。 それは遠い昔のどこかで、 ずっと見ていた風景のように思えて来る。 何百何千年もの昔、 僕が生まれるずっと前の、その昔に、 よく見ていて、知っている風景で、 それが何かのキッカケで、 ふっと、よみがえったように思えて来るのである。 こうした「肉体の記憶」は、理屈では証明しにくい。 いわば無意識の世界である。 僕の肉体のどこかで、 そうした大昔の、記憶の痕跡の何かが、 形を変えて残っていたのではないだろうか。 それがわずらわしく、うっとうしく、 何が何だか訳もわからずに、もどかしくて、 違和感を覚えるのであ。 どうでも良い事なのに、なぜか無視できないでいるのである なにかとっても大切な忘れ物を、見ている思いなのである。 それが何かと問われても、もちろんわからない。 意識と肉体が分離して、意識だけが、 どこか遠い異次元の世界をさ迷い続けている、 そんな感じなのである。 |