――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2012-0803-1 市
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これは、デッサン途中の人物画である。 輪郭とその顔の表情が不明瞭である。 しかし、僕は初めて見た時、びっくりした。 今まで何回も何万回も見てきた、 見覚えのある、「顔」に思えたからだ。 確かに帽子とか服装は違ってるけど、 それは関係ない。 見覚えのあるのは、その「目」なのだ。 暗がりや物陰、あるいは夢の中で、 ヘキエキ、ウンザリするくらい、 何度も見てきたものだ。 いくら目を凝らして見ても、 相手の「目」が見えない。 だから、その姿から相手を確かめられないのである。 いったい誰が、僕を見つめているのか、 わからないのである。 正体不明なのである。 だから、気になって仕方がない。 実に忌々(いまいま)しい。ムカつく。 そして、気味が悪い。腹立たしい。 こういう場合は、意固地になってはダメだ。 食われてしまう。 だから、古い友人か知人のように、 さりげなく、軽くあしらわなければならない。 事実、僕にとっては、 もっとも古い知人なのだから。 |